神奈川県立歴史博物館 後北条氏関係文書アイコン北条氏略系図 目次  
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トップ画像で見る歴史と文化人物紹介・文書の知識北条氏略系図
 
北条氏康の用いた花押
 氏康の花押は、祖父宗瑞(早雲)や父氏綱とは全く別の形に見える。しかし、最初期型の天文6年(1537)7月23日の構成には、明らかな共通性をみてとれる。年代ごとの変化は右側の下垂する部分によく表れ、天文8年頃より次第に幅が狭くなり、さらに、同10年11月2日では右下方に伸びる二筋の線はほぼ平行になる。以後、この二筋の内側に湾曲する変化に特徴を見ることができる。また同16年8月頃に、中央右側の「つ」を二段積み重ねたような部分は次第に角を強調したものになっていき、この段階で氏康の花押はほぼ完成したといえる。しかし、細かな部分の変化はなおも続き、同18年より左端の部分の曲げ方が次第に大きくなっていく。以後、元亀2年(1571)10月の死去まで、右側の下垂部と左端の部分に年代ごとに微妙な変化が加わるが、これらの変化は偽文書作成に備えての配慮とみられる。
天文6年7月23日 天文8年11月16日 天文10年11月2日 天文16年8月28日
天文6年7月23日 天文8年11月16日 天文10年11月2日 天文16年8月28日
天文18年7月23日 天文20年7月17日 永禄12年2月6日
天文18年7月23日 天文20年7月17日 永禄12年2月6日
『後北条氏と東国文化』より作成
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