本図は1885(明治18)年に出版された横須賀造船所を中心とした横須賀の市街地図である。横須賀造船所は幕末の慶応元(1865)年に横須賀製鉄所として着工し、丘陵に囲まれた海面を埋め立てて建設が進められた。造船所の中心部に描かれている3つの石造ドックは米軍基地構内に現存している。猿島には「陸軍砲台」と記されており、軍事機密という認識はまだ希薄だったようである。