絵師石川流宣が原図を作成した日本図及びその類版を流宣図という。海岸線の屈曲を強調し、海上に波や船を描くなど絵画的で、地形の正確な再現は意図していない。街道情報を載せ、旅案内図としても便宜が図られている。貞享4年(1687)刊の『本朝図鑑綱目』がその最初のもので、流宣没後も類版の刊行が続き、赤水図が出るまで日本図のスタンダードであった。本図は元禄4年(1691)刊の『日本山海潮陸図』を墨刷り一色にした改訂版。