南瞻部洲は仏教的宇宙観での我々の住む世界。日本・唐・天竺の三国で構成され、中国の地名は詳細で、「雪山」(ヒマラヤ)や「大流砂」(ゴビ砂漠)等も記す。図左上に欧州が群島状に、右下に南米が小さな島状に描かれ、新しい地理知識も付加されている。仏教的世界図としては初めての板行で、好評を得て版を重ね、類版も出るなど、幕末まで人気を保った。