伊能図大図から神奈川県域の東海道部分を写したもの。伊能図の完成版『大日本沿海輿地全圖』は大図・中図・小図の三種があり、伊能忠敬死後の文政4年(1821)に弟子達が完成させた。幕府に納められた原本は失われ、副本や写本が残る。本図は朱線の測線、山地や町並みの描き方、#状で略記された耕地、位置確認の天体観測を行った地点を☆印で示すなど、伊能大図原本の雰囲気が窺える。