現在の元町と関内地区との間の掘り割り川が描かれていることから万延元(1860)年ごろの様子であることが判明する。画面中央の現在横浜公園となっている場所には江戸の吉原を模した遊郭が置かれており、まだその周辺は湿地帯のままである。作者の五雲亭貞秀はこのような鳥瞰図を得意とする浮世絵師で、横浜に題材をとったいわゆる横浜浮世絵も数多く残している。