三島頭取は、日本銀行出身の井上準之助副頭取とのコンビで行内改革に着手し、その上でカルカッタやハルピン、サンフランシスコなどに出張所や分店を開設し、業務の展開をはかった。また懸案であった日仏銀行の創立に参画し、同行とは互恵的な業務提携を結んだ。一方中国では辛亥革命が勃発し、これによる混乱と経済的な影響を受けながらも、中国漢冶萍公司への借款契約を1912(明治45)年2月に締結した。漢冶萍公司とはその前身の漢冶萍煤鉄廠礦有限公司時代から借款契約を結んでいたが、1914年まで6度にわたり借款契約を締結し、八幡製鉄所用の鉄鉱石の供給を確保したのである。
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