英山の作品には、初代歌麿の晩年の画風の影響が感じられるが、それに加えてどことなくあどけなさの残る美人画を描いて美人画の新境地を開き成功したという。この作品は、右手に子供の手を握り、団扇を持った左手で裾前を気にしながら先を急ぐ親子を描く。子供は、提灯の火が搖れるのが面白いのか、なかなか歩みを運ばない。