本図は、通称「魚づくし」という10枚の揃物で、当初は狂歌師仲間の入銀物(限定予約)として作られ、構図は『魚貝譜』鍬形恵斎画を参考に広重自身の写生と創意を加味して成ったと考えられる。図中に雲垣冨士見の「波に洗ひ磯の巖にすりつけて鰒はおのか玉をみかけり」を始め三輪垣耳喜・千代垣素直等3人の狂歌賛を添える。