大根をおろす娘、それを見守る母親、日常の一端を絵画化した珍しい作品。歌麿は遊女ではなく高島おひさ、難波屋おきたなど市井の美人をモチーフにした作品を多く残しているが、このような名もない女性を題材にしている事に新鮮味があり、技法としても刺身を盛ったとみえる部分に没骨無線の色面で処理した新工夫が見られる。