吉原で8月の最大の行事、仁和嘉(俄)の一場面を描く。即興の狂言や踊りながら練り歩く様は人気を呼び、天明、寛政の頃に最高潮に達した。歌麿は同じ表題で寛政中期と享和期に2種類の揃物を描いている。後者は俄踊りの外題と演ずる芸者の名前が記される。本図は豊作を祈願あるいは感謝する神楽に基づく俄を取材している。