近江八景は、琵琶湖付近の八つの景勝地を指す。石山寺は、紫式部がこの一室で源氏物語を執筆したことでも名高い。この逸話は古くから画題として取り上げられ、本図もその一つで、紫式部が文台に向い、物語の想を練るありさまを表現している。句は「石山や嶋のうきてる月かけはあかしもすまも外ならぬかは」である。