箱根は古くから開けた温泉で、東海道に面していて交通の便もよく熱海と共に江戸などから湯治客がよく訪れた。特にこの七湯が知られ、「七湯の栞」という案内書も刊行されている。本図は温泉宿の一室でくつろぐ客を描いている。なお、女が読む黄表紙は、「化物箱入娘」天明元年刊であることから本図の制作年代が分かる。