本図は、文化元年七月に市村座で上演された歌舞伎「天竺徳兵衛韓国噺」の一場面で、尾上松助演じる幽霊が、門口の守り札を松本小次郎の家主杢右衛門に剥させようとしている。天竺徳兵衛は江戸初期の実在の人物で播磨国の商人。その数奇を極めた生涯は歌舞伎・浄瑠璃に脚色され、天竺徳兵衛物として世にもてはやされた。