本図は、神奈川の宿のはずれから台町を見る、広重の代表的な東海道シリーズの一つである。揃物名及び宿名が行書体で書かれているので俗に「行書東海道」という。描法は、書の真行草の「行書」体を強く意識した画面構成で、簡素な筆の運びと色数を少なくした飾り気の無い作品群に仕上げられている。