夏期に各地から大山を目指す参詣街道を大山道という。この田村の渡を利用する道もその一つで、藤沢宿を経て四ツ谷の追分から大山へいく道は、江戸からの参詣人がよく利用した。図は渡し場へ降る高台から相模川と対岸の山々を眺望し、その中央に聳えるのは大山である。山肌や樹葉に陰影法を巧みに用い、洋風に仕上げている。