平潟落雁は、中国の瀟湘八景の平砂落雁に対応する。図様は、画題が示すように中空に列をなして飛ぶ雁を配し、前の干潟では人々が潮干狩を楽しんでいる。遠景には規則正しく並ぶ名物の磯馴松が描かれ、さらに、その奥には白帆が見えるのどかな光景である。「跡とむる真砂にもしの数そへてしほの干潟に落るかりかね」