本図は、江戸後期に流行を見た、源氏絵という光源氏が名所を訪れる形式で描かれている。光君は茶店で梅の枝に留まる鴬を眺めている。杉田は梅の頃、金沢や鎌倉、江ノ島に行く人たちが途中立ち寄る名所で、東海道を保土ヶ谷から弘明寺を経て、杉田へ向かう海沿いの道が多く利用された。