三代豊国襲名前の代表作7枚揃の一つ。鼠地雲母摺のバックに高島田に緋縮緬の飾り裂を結び、花簪を挿し、娘らしさを表している反面、壮絶な表情がお七の運命を暗示する。袖に嵐喜世三郎考案の封じ紋があり、お七役の決まりの紋となる。三代豊国(1786〜1864)は美人画、役者絵に優れ、作画量は全浮世絵師中随一という。