廿四孝は、中国の元の24人の孝子の逸話をまとめた教訓書で我国に普及した。「えん子」は老父母の眼病の薬となる鹿の乳を求めて鹿の皮を被り、群れに紛れていた時に猟師に射たれそうになり事情を話して免れたという。本図は、国芳得意の洋風表現で、鉄砲を手にした猟師にえん子が事情を説明する場面が描かれている。