催し物

体験教室

博物館体験教室「日本の伝統技術を学ぶ-組紐体験-」

昨年に続き、組紐師 西岡氏を講師に迎えて古代から中世にかけて主流であった「クテ打」という技法の組紐体験を今年も行いました。「クテ」とは組紐を組む時に使用した取っ手のような道具をさす言葉です。今回は三種類の基本の組み方に加えて応用編の組み方(二種類)にも挑戦しました。

 

はじめに西岡講師より、クテ打(ループ操作法組紐技法)が世界各地また日本で行われていた記録や、文化財として残されている例、復元制作の試みについて、講義がありました。

講義の後、「クテ打」に挑戦です。まず基本の組み方を、指を使って組みました。はじめは指の使い方に慣れない様子でしたが、みなさん黙々と手元に集中しました。

 

基本の組み方は、上から  蛇腹組、角組、重打組の三種類です。刺繍糸を使いました。

 

また当館の常設展示で、組紐が実際に使われている資料の見学も行いました。組紐は甲冑のパーツを留めるためや、刀の鞘に装着する下げ緒などに使われています。

 

後半は応用編、クテを使った組紐に挑戦です。今回、クテとして荷物ホルダーを代用しました。

一つ目は、二人で組む角組「二連角組」です。まずクテに慣れる為、一人でクテを使って角組を組み、次にお隣の人とクテを交互に動かして、角組が二つ連なった紐を組みました。

 

 

二つ目は正倉院宝物に収められている角組に取り組みました。

こちらは糸のグラデーションが特徴です。最初の糸の配色がポイントです。古代人のおしゃれに思いを馳せられそうですね。

 

 

以上、今回は5種類の組紐に挑戦しました。

「クテ打」という技法を知って頂くことと、技法を通して文化財を身近に感じて頂く体験教室でした。

 

 


 

 

 組紐は、日本の伝統的な技法で製作された紐で、正倉院に収められる宝物や、甲冑や刀剣などの武具や調度品、巻子装の緒や仏教や神道の諸道具に用いられているなど、日本の生活や文化と密接に関わってきました。
 現在の製作されている組紐の多くは角台、丸台、高台などの台を用いた技法で組まれていますが、今回の体験教室では、古代から中世にかけて主流であった組紐技法、指だけを使って組む「クテ打」を基本的な組み方(3種)をとりあげ、さらに午後は応用編として、クテを使用した組紐や、正倉院宝物に実際に収められている角組を制作し昨年度の体験教室から発展した内容となります。「組紐」づくりの体験を通して、日本の伝統技術や文化財をぜひ身近に感じてください。

日時 2018年10月20日(土) 午前10時30分~午後3時
講師 西岡 千鶴 氏(西岡甲房 組紐師)
会場 当館講堂
定員 24名(申し込み多数の場合は抽選)
受講料 無料(ただし、当日の常設展観覧券が必要。材料費(実費1,000円程度)を別途徴取)
申込 「事前申込のご案内」をご覧ください。
「往復はがき」または「フォームメール」でのお申し込みとなります。
申込締切 2018年9月22日(土)必着
申込受付は終了しました

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