展示

常設展室内トピック展示

葛飾北斎が描いた神奈川

今年2019年は葛飾北斎(1760~1849)の没後170年にあたります。この機会に当館が所蔵する北斎作品から、神奈川県域の風景を描いた作品を紹介します。天保年間(1830~44)初期に出版された北斎の「冨嶽三十六景」は初代広重の「東海道五拾三次(保永堂版)」とともに、風景を描いた浮世絵版画の人気を確立したとされています。また、「冨嶽三十六景」と「諸国瀧廻り」は主版(輪郭線)に墨ではなく、当時、流行していた藍色が使用されていることが特徴です。山や樹木をはじめ、あらゆるものが藍色でかたどられた風景は、ほかの風景画とはひと味違って見えます。そして、北斎が描いた唯一の双六とされる「新板鎌倉江ノ島大山往来双六」は浮世絵版画には珍しく、鎌倉の名所が複数、取り上げられています。この展示では、江戸近郊の名所であった神奈川県域の風景をとらえた北斎の視点を感じ取り、北斎風景画の魅力をお楽しみいただければ幸いです。

開催情報

常設展室内トピック展示葛飾北斎が描いた神奈川

概要

■展示期間:2019年10月22日(火・祝)まで
※10月22日(火・祝)は退位礼正殿の儀を慶祝いたしまして、無料公開を実施します。
■開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
■休館日:月曜日(9月23日、10月14日は開館)、9月24日(火)、10月1日(火)
■会場:常設展示室2階 常設展示/テーマ3 近世
■観覧料:常設展観覧券でご覧いただけます。
 一般300円(250円)、20歳未満・学生200円(150円)、高校生・65歳以上100円(100円)
※中学生以下・障害者手帳をお持ちの方は無料、( )内は20名以上の団体料金
※神奈川県立博物館等の有料観覧券の半券提出による割引制度あり

冨嶽三十六景 山下白雨(部分)

「冨嶽三十六景」シリーズでは雲はさまざまなかたちに描かれています。季節、天候によって変わる雲を北斎は描きわけたようです。

諸国瀧廻り 相州大山ろうべんの瀧(部分)

大山登山にあたり、水垢離をする男たち。その身体も藍色でかたどられています。

新板鎌倉江ノ島大山往来双六(部分)

双六の一部の小さな画面ですが、浮世絵には珍しい、鎌倉の大仏が描かれています。

展示リスト

題名
冨嶽三十六景 東海道程ヶ谷
冨嶽三十六景 相州七里浜
冨嶽三十六景 相州江の島
冨嶽三十六景 相州仲原
冨嶽三十六景 相州梅沢左
冨嶽三十六景 相州箱根湖水
冨嶽三十六景 凱風快晴
冨嶽三十六景 山下白雨
諸国瀧廻り 相州大山ろうべんの瀧
新板鎌倉江ノ島大山往来双六

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