このページではJavaScriptを使用しています。JavaScript対応の環境でご利用下さい。
リンク

 当館では、展示室内の音声ガイド、また多言語化対応の一環で、スマホアプリ「ポケット学芸員」を活用しております。
 このたびの特別展でも、解説ガイドとして活用することを考え、準備を進めて参りました。
 中止となったことで配信をやめようかとも考えたのですが、担当(TT)としては少しでも展覧会の香りを届けたい!という希望がありまして、作っていた内容を少々変更しまして、ここにお届けする次第!!

 2018年以後、当館では活用し続けておりますが、特別展ではキャプションに記述されていないこと、さらに詳しいことを記述するように差異化しております。
 つ・ま・り、ポケット学芸員の解説の方がたくさんの情報があってお得だってことなんですよ~♪
 というわけで、今回は中止となったこともありまして、どっさり書き込んでみました。
 正直、図録で書かなかったこと、書けなかったことなども記載されておりますよ(これはこれで後ほどお叱りをうけそうですが、どこかで出版できれば良いなとも思います。頑張ります(>_<))

 アプリで、どんな解説があるの~?という方のために、サンプルをひとつ掲載しておきましょうね。
 こちらをどうぞ♪

解説 926 ノエル・ヌエット 東京風景 日本橋
ヌエットが土井貞一のもとから版画を版行することになった理由は、ヌエットの教え子が貞一の息子だったという縁があったからです。ヌエットの作品は万年筆で描かれ、色はついていないものでした。それを貞一らがサポートし、今ある作品に仕上がっています。貞一らが特に配慮したであろう点は、ヌエットの線質を活かすことだったでしょう。線が多い版画となるとどことなく銅版画の雰囲気に近いですが、銅版画のような硬質な線都は異なります。そのペンの柔らかみが、ヌエット版画の見所のひとつです。抑制された色調も、どこか乾いた、冷徹に観察するヌエットのまなざしとマッチしています。その温かみと冷たさの均衡が、ヌエット作品の良さといえます。そのなかで企画担当者(TT)が惚れ込んでいる一点が、《東京風景 日本橋》です。初代広重《大橋あたけの夕立》を下敷きとした構図ながら、画面中央にどんとたつ日本橋の電灯が昭和という時代を強く主張します。降り注ぐ雨のなか足早に進む人の傘だけが、画面に強い暖色を添えています。江戸時代の錦絵を知り、今また昭和の世に新たな形で生み出そうと、時代を超え、洋の東西を超え、絵師や版元、彫師摺師が知恵と技術と情熱を結集させた一点です。さらにもう一点。日本橋といえば、大倉孫兵衛が店を構えた萬屋、錦栄堂、大倉書店そして大倉洋紙店があった、まさにその場所です。孫兵衛がもういない世のその土地を描いた錦絵だと気がついたとき、企画担当者(TT)は正直震えました。歴史はつながっているんだな、と強く感じました。そのことを考えさせてくれた、大切な一点です。

 どうですか、みなさん。読んでみたくなりました?
 読んでみたいという方は、アプリをダウンロードして、どうぞごゆっくりお楽しみください

展示(音声)ガイドのページへ

戻る