展示

虎渓三笑図

今月の逸品」では、学芸員が交代で収蔵資料の魅力を紹介します。

2019年12月の逸品(展示期間:~12月27日 ミュージアムトーク:12月18日)

虎渓三笑図(こけいさんしょうず)

虎渓三笑図(こけいさんしょうず)

啓孫 室町時代 16世紀

瀧の落ちる渓流に大笑する人物が三名。
ここは中国の廬山(ろざん)にある虎渓という渓流。

廬山に隠居し虎渓を出ないと誓っていた慧遠法師(えおんほうし)(中央)は、ある日訪ねてきた陶淵明(とうえんめい)(向かって左)と陸修静(りくしゅうせい)(同右)と世を忘れて清談に興じていました。

二人が帰る段になったときのことです。
慧遠法師が二人を送る途中、話に夢中になるあまり、気づいたときには虎渓を数百歩出てしまっていて、そのとき三人手を打ち大いに笑ったといいます。

この故事を虎渓三笑といい、日本では室町時代以降に水墨画の画題として多数描かれました。

今回ご紹介するのもその一例。この絵の内容や描写について、絵師の啓孫の特徴に触れつつ簡単にお話しいたします。(橋本 遼太・当館学芸員)

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