浮世絵の歴史を通じて、その人気の中心は美人や歌舞伎役者を描いた絵でした。名所・風景を主題とする浮世絵が人気を得たのは天保年間(1830〜44)の葛飾北斎、初代歌川広重の活躍によります。その少し前から、浮世絵師たちは名所、風景を描く趣向を競っていました。この展示では天保年間前後の浮世絵師6人の風景を見比べていただきます。「景観を切り取る」はずの風景表現でも、「見せ方」が絵師の腕の見せどころ。その違いをお楽しみください。
文化(1804〜1818)頃と推定される洋風の浮世絵。陰影や遠近感はそれまでの浮世絵にはなかなか見られません。
赤坂(愛知県)から鳴海(同)まで5宿間、おおよそ40キロメートルをとらえる荒技。手前には鳴海宿名産の有松絞りが美しくたなびいています。
美人や歌舞伎役者の似顔絵の名手、三代豊国(初代国貞)も風景を描きました。昨年が没後150年。
展示リスト
資料名 | 作者 |
名勝八景 玉川秋月 玉川鮎汲の図 | 歌川豊国(二代) |
名勝八景 熱海夕照 熱海ヶ浜より大嶋之真景 | 歌川豊国(二代) |
霧中ノ山水 | 歌川豊国(三代) |
二見浦曙の図 | 歌川豊国(三代) |
江戸両座芝居町顔見世之図 | 溪斎英泉 |
木曾街道続ノ壱 日本橋雪之曙 | 溪斎英泉 |
東海道五拾三駅五宿名所 赤坂 藤川 岡崎 池鯉鮒 鳴海 | 歌川国芳 |
東都名所 洲崎初日出の図 | 歌川国芳 |
東海道五拾三次之内 御油 旅人留女 | 歌川広重(初代) |
木曽海道六拾九次之内 軽井沢 | 歌川広重(初代) |
京都名所之内 祇園社雪中 | 歌川広重(初代) |
琉球八景 龍洞松濤 | 葛飾北斎 |
冨嶽三十六景 武州千住 | 葛飾北斎 |
日本堤田中見之図 | 葛飾北斎 |
◇ 開館時間:午前9時30分〜午後5時
(入館は午後4時30分まで)
◇ 休館日:「開館日カレンダー」をご覧ください
◇ 会 場:常設展示室2階 常設展示/近世・浮世絵コーナー
◇ 観覧料:常設展観覧券でご覧いただけます
◇ 展示期間:2015年6月下旬まで
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