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入門講座 「早雲寺展をふかめる-早雲寺をとりまく文化と権力の相克-」
入門講座 「早雲寺展をふかめる-早雲寺をとりまく文化と権力の相克-」
11月 3 終日
入門講座 「早雲寺展をふかめる-早雲寺をとりまく文化と権力の相克-」
特別展を企画担当した渡邊浩貴学芸員による入門講座「早雲寺展をふかめる-早雲寺をとりまく文化と権力の相克-」を実施しました。 まずは早雲寺と展覧会の概要についての説明から始まり、続いて文化と権力というテーマに基づき、北条五代画像(北条早雲・氏綱・氏康・氏政・氏直)について、早雲寺、法雲寺、当館所蔵の画像をスライドで比較しながら解説していきました。 北条五代画像がこれだけ一堂に揃うことは珍しく、装束の文様から出自である京都を感じさせるものや、五代画像の配置や装束の色に末裔たちの思いが反映されているものなどを紹介していきました。 さらに北条五代画像の伝来過程での顔の類似や変化にも触れ、早雲寺が所有する宝物が記載された什物帳(じゅうもつちょう)から、小田原北条氏、玉縄北条氏、狭山藩北条氏の動向などを紐解いていきました。 このように北条氏の歴代画像を素材として歴史を検証していくことで展示への関心が一層深まったようで、講座後は多くの方が展示室へ向かわれました。    早雲寺の寺宝群はどのような歴史をたどってきたのでしょうか。本講座では、特に北条五代画像(北条早雲・氏綱・氏康・氏政・氏直)の伝来を手掛かりに、寺宝が形成される歴史的過程を小田原北条氏・玉縄北条氏・狭山藩北条氏の動向から探っていきます。謎解きのような感覚で、絵画資料の伝来とその経緯を一緒に考えていきましょう。 日時 2021年11月3日(水・祝)午前10時~12時 ※「展示案内パンフレット」記載の開催日時から変更になっています。 講師 渡邊 浩貴(当館学芸員) 会場 当館講堂 定員 35名(申込多数の場合は抽選) 受講料 無料(ただし、当日の特別展観覧券が必要です。) 申込 申込締切 注意事項 ・ご来館される前にこちらをご確認ください。※本講演会にお申し込みいただき、受講が決定された方(申し込み多数の場合は抽選のうえ)は、リンク先の特別展入場事前予約は不要です。 ・館内及び受講中の常時マスク着用をお願いします。 ・新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、急きょ中止・変更になる場合がございます。その場合は、このページでお知らせします。
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早雲寺と戦国大名北条氏ゆかりの地を訪ねる
早雲寺と戦国大名北条氏ゆかりの地を訪ねる
11月 5 終日
早雲寺と戦国大名北条氏ゆかりの地を訪ねる
特別展「開基500年記念 早雲寺-戦国大名北条氏の遺産と系譜-」の開催にあわせ、早雲寺と早雲寺を菩提寺とした小田原北条氏ゆかりの地を歩く現地見学会を実施しました。講師は今回の展覧会担当学芸員の渡邊と、小田原北条氏を専門に研究している鳥居和郎氏です。鳥居氏は当館学芸員でもあったので、参加された方の中には懐かしい思いを抱かれた方もいらっしゃったのではないでしょうか。 見学会はまず箱根湯本駅からスタートし、正眼寺に向かいました。その途中で「湯本小学校跡」の看板を発見。現在の湯本小学校から300m程離れた場所にその看板はありますが、実はこの場所も昔の早雲寺の境内だったとのこと。現在のお寺の広さよりもかなり大きかったことが窺えます。そんな話をしながら正眼寺に到着。正眼寺は地蔵信仰で有名なお寺で、1335年の史料には「湯本地蔵堂」と記されています。今回の特別展「早雲寺」で展示されていた2軀の地蔵菩薩立像からも地蔵信仰が窺い知る事ができました。境内にはこれらの像が祀られる曽我堂があり、曽我物語に登場する曽我兄弟がそれぞれの像に擬されているのも特徴です。裏手の山には中世の石仏群も残されており、”箱根”という場所の中世の信仰と歴史について詳しい解説を行いました。   正眼寺の見学後は展覧会のメインでもある早雲寺へと向かいます。早雲寺は今から500年前、1521年に北条氏綱が建立したとされる古刹。「金湯山」と山号の掲げられた惣門からはじまり、本堂や鐘楼、北条五代の墓などの見どころがずらり。早雲寺ゆかりの品々は今回の特別展に多く出品されていましたが、本堂の襖絵など出品が叶わなかった作品もありました。今回の現地見学会では特別にそれらの拝観もさせていただくことができ、参加者の皆さんは興味深くご覧になっていました。     特別展「開基500年記念 早雲寺-戦国大名北条氏の遺産と系譜-」に関係する早雲寺・正眼寺・箱根町立郷土資料館を、北条氏研究者と特別展担当学芸員の案内により解説を交えながら徒歩で巡ります。 日時 2021年11月5日(金)午後1時30分~4時 講師 鳥居 和郎 氏(元神奈川県立歴史博物館学芸員)、渡邊 浩貴(当館学芸員) 定員 15名(申込多数の場合は抽選) 参加料 無料(ただし、施設により入館料が必要な場合は参加者の実費負担となります) 事前申込制 申込締切 注意事項 ・約3kmの行程に坂道などが含まれます。 ・小雨決行、荒天時中止。 ・参加中の常時マスク着用をお願いします。 ・集合時に検温をさせていただきます。37.5℃以上の体温が検知された場合は参加をお断りさせていただきます。 ・新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、急きょ中止・変更になる場合が  ございます。その場合は、このページにてお知らせします。
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連続講座《パートⅠ》(全2回)「体験!大人のせんごく寺子屋」
連続講座《パートⅠ》(全2回)「体験!大人のせんごく寺子屋」
11月 13 終日
連続講座《パートⅠ》(全2回)「体験!大人のせんごく寺子屋」
特別展「開基500年記念 早雲寺-戦国大名北条氏の遺産と系譜-」では、早雲寺の歴史を物語る様々な資料が展示されました。当講座では文書をテーマにし、展示で見るだけでなく、資料を身近に感じていただく機会となるよう、文書の素材である和紙の本格的な漉き体験と、文書の書き方を体験する連続講座を実施しました。 第1回では田村正氏(紙漉き師)を講師としてお招きし、和紙の原材料である楮(こうぞ)から紙を作る一通りの工程を体験しました。つづく第2回では特別展担当の渡邊学芸員が講師となり、特別展で展示した様々な文書の様式を解説するとともに、第1回で作った和紙を使って戦国時代の文書を作成する体験をしました。   ■第1回 「戦国文書を作ってみよう-本格!紙漉き体験-」 田村 正 氏(紙漉き師)  田村氏は伝統的な和紙制作のみならず、子ども・一般向けに本格的な和紙づくりのワークショップを数多く開催されています。当日は、原材料の楮、トロロアオイ、また体験に必要な道具一式のほか、和紙に関する私家コレクション(大福帳や明治時代の教科書、投票用紙、紙子等々)をご持参いただき、本格的な紙漉きを体験をさせていただきました。             渡邊学芸員より田村氏の紹介の後、紙漉き職人の世界へ、参加者のみなさんと職員が弟子入りし、講座が始まりました。 はじめに講堂で、紙匠(師匠)より世界各地で作られている紙が、その土地で採れるものを原料に紙づくりが行われていることや、日本で作られてきた和紙の魅力と特徴、歴史的な背景などを熱心にお話いただきました。 講堂からサービスヤードへ場所を移して、紙づくり体験の始まりです。 和紙の原料である楮の加工から始まります。すでに蒸した状態の楮の外皮を、スクレーパーを使ってはぎ取ります。楮の根本や節のあるところは硬く、先の方は皮が薄くなっていることなど、楮の生育状況が作業を通して感じられます。 次は水槽の中で、ちりとりの作業です。先ほどの作業で取り切れなかった外皮の一部などを取り除いていきます。 ちりとりが済み、きれいになった楮を、今度は繊維を細かくほぐすため、叩解(こうかい)の作業をします。 トン、トン、トンと大きな音が鳴り響いて作業を終えた後、植物である楮の匂い、ふかし芋のような、ほんのり甘い匂いが漂いました。   繊維が十分にほぐれたら、容器に移し、トロロアオイという植物の根を水に浸して、粘りのある成分が浸み出た液体を入れて混ぜます。トロロアオイの粘り成分は、楮の繊維を水中に均一に分散させます。 いよいよ紙漉きです。 ここまでの工程で準備した楮で、ハガキサイズの紙を漉きました。       一方、漉き舟で、流し漉きを体験しました。       全員漉き終わったところで、終わりの挨拶をし、本格的な紙漉き体験は終了しました。 受講者が帰ったあとも作業は続きます。その後、漉き終わった紙を、ジャッキで圧搾し、水分を切りました。 その後、紙匠と職員で紙干しをしました。受講者のみなさんが作った和紙は、第2回で使用します。   ■第2回 「戦国文書を書いてみよう-文書の書き方・折り方・とじ方-」 渡邊浩貴(当館学芸員)  第2回では、渡邊学芸員が講師となり、特別展で展示した文書のなかから、戦国文書の特徴がみられる資料を取り上げて、文書の書き方を解説し、折り方ととじ方のデモンストレーション、そしてお手本とした文書を特別展室で見学した後、実際に書く体験を実施しました。第1回で受講者自身が作った和紙を使いました。 まずは講義です。書き記されているれている内容から社会状況や暮らしの様子が浮かび上がります。また、日付と差出人の名前、受取人の名前の配置からは人間関係が表れていること、表装されていない文書からは、文書を出したときの折り方、とじ方が推察できるとの解説がありました。 デモンストレーションでは、文書がどのように折り畳まれていたのか、また切込みを入れたとじ方を実演し、受講者のみなさんにも体験していただきました。             本日のメインです。受講者のみなさんがそれぞれ、出品資料『北条氏盛書状(早雲寺文書)』(出品番号No.60、法事の出席依頼をお断りする内容)をお手本にして書いてみました。紙を横半分に折った「折紙(おりがみ)」という形態で、上半分に手紙を、日付の「霜月廿日」は、講座を行った日を書きました(実際の資料の日付は10月15日)。差出人に北条氏盛の署名と花押があるところを、北条氏の朱印(レプリカ)を押印しました。 参加者からは、本格的な紙漉き体験への驚きのほか、文書は読めなくて素通り気味だったが、別の見方があることを知った、書かれている文字以外にも読み取れるものが多く、興味深く新しい発見があった、などの感想が寄せられました。   戦国大名の展覧会に行くと必ず目にするのが古文書です。展示ケース越しに見ることはあっても、触ったことってありますか? そこで本講座の《パートⅠ》では和紙の原料である楮から紙を漉いて作り、中世文書を実際に作る体験をすることで、中世の資料についてより深く学んでいきます。初心者の方大歓迎です。 日時 ①2021年11月13日(土)、②20日(土)午後1時30分~3時30分 講師 ①田村 正 氏(紙漉き師) ②渡邊 浩貴(当館学芸員) 演題 ①「戦国文書を作ってみよう-本格!紙漉き体験-」※4人一組で作業します。 ②「戦国文書を書いてみよう-文書の書き方・折り方・とじ方-」 会場 当館講堂、バックヤード 定員 16名(申込多数の場合は抽選)※全2回両方受講可能な方のみお申し込みください。 受講料 無料(ただし、初回受講日の特別展観覧券が必要です。) 申込 申込締切 注意事項 ・ご来館される前にこちらをご確認ください。※本講座にお申し込みいただき、受講が決定された方(申し込み多数の場合は抽選のうえ)は、リンク先の特別展入場事前予約は不要です。 ・館内及び受講中の常時マスク着用をお願いします。 ・新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、急きょ中止・変更になる場合がございます。その場合は、このページでお知らせします。
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連続講座《パートⅠ》(全2回)「体験!大人のせんごく寺子屋」
連続講座《パートⅠ》(全2回)「体験!大人のせんごく寺子屋」
11月 20 終日
連続講座《パートⅠ》(全2回)「体験!大人のせんごく寺子屋」
特別展「開基500年記念 早雲寺-戦国大名北条氏の遺産と系譜-」では、早雲寺の歴史を物語る様々な資料が展示されました。当講座では文書をテーマにし、展示で見るだけでなく、資料を身近に感じていただく機会となるよう、文書の素材である和紙の本格的な漉き体験と、文書の書き方を体験する連続講座を実施しました。 第1回では田村正氏(紙漉き師)を講師としてお招きし、和紙の原材料である楮(こうぞ)から紙を作る一通りの工程を体験しました。つづく第2回では特別展担当の渡邊学芸員が講師となり、特別展で展示した様々な文書の様式を解説するとともに、第1回で作った和紙を使って戦国時代の文書を作成する体験をしました。   ■第1回 「戦国文書を作ってみよう-本格!紙漉き体験-」 田村 正 氏(紙漉き師)  田村氏は伝統的な和紙制作のみならず、子ども・一般向けに本格的な和紙づくりのワークショップを数多く開催されています。当日は、原材料の楮、トロロアオイ、また体験に必要な道具一式のほか、和紙に関する私家コレクション(大福帳や明治時代の教科書、投票用紙、紙子等々)をご持参いただき、本格的な紙漉きを体験をさせていただきました。             渡邊学芸員より田村氏の紹介の後、紙漉き職人の世界へ、参加者のみなさんと職員が弟子入りし、講座が始まりました。 はじめに講堂で、紙匠(師匠)より世界各地で作られている紙が、その土地で採れるものを原料に紙づくりが行われていることや、日本で作られてきた和紙の魅力と特徴、歴史的な背景などを熱心にお話いただきました。 講堂からサービスヤードへ場所を移して、紙づくり体験の始まりです。 和紙の原料である楮の加工から始まります。すでに蒸した状態の楮の外皮を、スクレーパーを使ってはぎ取ります。楮の根本や節のあるところは硬く、先の方は皮が薄くなっていることなど、楮の生育状況が作業を通して感じられます。 次は水槽の中で、ちりとりの作業です。先ほどの作業で取り切れなかった外皮の一部などを取り除いていきます。 ちりとりが済み、きれいになった楮を、今度は繊維を細かくほぐすため、叩解(こうかい)の作業をします。 トン、トン、トンと大きな音が鳴り響いて作業を終えた後、植物である楮の匂い、ふかし芋のような、ほんのり甘い匂いが漂いました。   繊維が十分にほぐれたら、容器に移し、トロロアオイという植物の根を水に浸して、粘りのある成分が浸み出た液体を入れて混ぜます。トロロアオイの粘り成分は、楮の繊維を水中に均一に分散させます。 いよいよ紙漉きです。 ここまでの工程で準備した楮で、ハガキサイズの紙を漉きました。       一方、漉き舟で、流し漉きを体験しました。       全員漉き終わったところで、終わりの挨拶をし、本格的な紙漉き体験は終了しました。 受講者が帰ったあとも作業は続きます。その後、漉き終わった紙を、ジャッキで圧搾し、水分を切りました。 その後、紙匠と職員で紙干しをしました。受講者のみなさんが作った和紙は、第2回で使用します。   ■第2回 「戦国文書を書いてみよう-文書の書き方・折り方・とじ方-」 渡邊浩貴(当館学芸員)  第2回では、渡邊学芸員が講師となり、特別展で展示した文書のなかから、戦国文書の特徴がみられる資料を取り上げて、文書の書き方を解説し、折り方ととじ方のデモンストレーション、そしてお手本とした文書を特別展室で見学した後、実際に書く体験を実施しました。第1回で受講者自身が作った和紙を使いました。 まずは講義です。書き記されているれている内容から社会状況や暮らしの様子が浮かび上がります。また、日付と差出人の名前、受取人の名前の配置からは人間関係が表れていること、表装されていない文書からは、文書を出したときの折り方、とじ方が推察できるとの解説がありました。 デモンストレーションでは、文書がどのように折り畳まれていたのか、また切込みを入れたとじ方を実演し、受講者のみなさんにも体験していただきました。             本日のメインです。受講者のみなさんがそれぞれ、出品資料『北条氏盛書状(早雲寺文書)』(出品番号No.60、法事の出席依頼をお断りする内容)をお手本にして書いてみました。紙を横半分に折った「折紙(おりがみ)」という形態で、上半分に手紙を、日付の「霜月廿日」は、講座を行った日を書きました(実際の資料の日付は10月15日)。差出人に北条氏盛の署名と花押があるところを、北条氏の朱印(レプリカ)を押印しました。 参加者からは、本格的な紙漉き体験への驚きのほか、文書は読めなくて素通り気味だったが、別の見方があることを知った、書かれている文字以外にも読み取れるものが多く、興味深く新しい発見があった、などの感想が寄せられました。   戦国大名の展覧会に行くと必ず目にするのが古文書です。展示ケース越しに見ることはあっても、触ったことってありますか? そこで本講座の《パートⅠ》では和紙の原料である楮から紙を漉いて作り、中世文書を実際に作る体験をすることで、中世の資料についてより深く学んでいきます。初心者の方大歓迎です。 日時 ①2021年11月13日(土)、②20日(土)午後1時30分~3時30分 講師 ①田村 正 氏(紙漉き師) ②渡邊 浩貴(当館学芸員) 演題 ①「戦国文書を作ってみよう-本格!紙漉き体験-」※4人一組で作業します。 ②「戦国文書を書いてみよう-文書の書き方・折り方・とじ方-」 会場 当館講堂、バックヤード 定員 16名(申込多数の場合は抽選)※全2回両方受講可能な方のみお申し込みください。 受講料 無料(ただし、初回受講日の特別展観覧券が必要です。) 申込 申込締切 注意事項 ・ご来館される前にこちらをご確認ください。※本講座にお申し込みいただき、受講が決定された方(申し込み多数の場合は抽選のうえ)は、リンク先の特別展入場事前予約は不要です。 ・館内及び受講中の常時マスク着用をお願いします。 ・新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、急きょ中止・変更になる場合がございます。その場合は、このページでお知らせします。
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連続講座《パートⅡ》(全2回)「体験!大人のせんごく寺子屋」
連続講座《パートⅡ》(全2回)「体験!大人のせんごく寺子屋」
11月 27 終日
連続講座《パートⅡ》(全2回)「体験!大人のせんごく寺子屋」
特別展「開基500年記念 早雲寺-戦国大名北条氏の遺産と系譜-」では、歴史を物語る様々な資料を展示しました。当講座では、展示資料のうち甲冑と刀剣をテーマとし、展示を見るだけでなく、間近に見て資料・モノに触れる体験を交え、鑑賞のポイントを学ぶ初心者向けの連続講座を実施しました。  第1回は甲冑師の西岡文夫氏を、第2回は刀剣研師小野敬博氏をお招きし、修復等での経験を基に、甲冑や刀剣の素材や技法、また歴史的背景などのお話を伺うとともに、貴重な資料をご持参いただき、実際に触れさせていただきました。 講師の先生方のご協力の下、座学だけでは伝えきれない資料の魅力を肌で感じていただく機会となりました。    ■第1回「甲冑を知ろう」 西岡 文夫 氏(甲冑師)   第1回は甲冑をテーマに、甲冑師の西岡文夫先生をお招きしました。先生は文化財に指定された甲冑の修復や、制作に長年携わられ、伝統的な技法を習熟されています。今回の講座では、甲冑一式もご持参いただきました。 講座の前半は日本の甲冑について、歴史的な変遷や時代的な特徴を詳しくお話いただきました。武具としての機能だけでなく、金工、漆芸、組紐等さまざまな伝統的技法が総合的に組み合わされ、鑑賞のポイントが多岐にわたることがわかりました。 後半は、先生が持参された甲冑のうち、戦国時代の後期によくみられる当世具足の着付けを実践していただきました。モデルとなったのは西岡先生のお弟子さんです。各パーツの見えないところにフックのような部品があり、順番に留めていきます。全部着付けていくと戦国武将の誕生です。受講者の方からどよめきが上がりました。               それから甲冑の各部分を実際に手に取ってみて、甲冑の硬さや大きさなどを確かめました。甲冑の胴の部分に使われている小札と呼ばれるものが、元の素材である牛皮に漆を施し、組紐でつなげている等、どのように作られているのか、普段の展示では見られない資料の細かいところまでを観察しました。 甲冑は、ふだんガラスケース越しに見ることが多いため、受講者のみなさんは手に取ったときの感触を確かめたりしていました。また、実際の着け心地について質問するなど、大変興味深い様子でした。   ■第2回「刀剣の扱い方、見方を知ろう」 小野 敬博 氏(刀剣研師) 第2回は刀剣をテーマに、刀剣研師である小野敬博先生をお迎えしました。 小野先生には、当館の経年劣化した刀剣等の収蔵資料を、研ぐことによって刀剣本来の輝きをよみがえらせるなど、資料の保存管理にもお力添えをいただいています。 今回の講座では、刃紋が比べられるよう先生が研磨された刀剣のほか、意匠が凝らされた拵え(こしら・え)、刀の鞘、砥石をはじめとする道具類一式など、ふだん直接目にすることのないものをご持参いただき、実物に触れて見る機会となりました。 前半は、刀剣のことを平安中期から室町初期までは太刀(たち)、室町中期以降は打刀(うちがたな)と呼ばれ、それぞれに反りや銘の位置が違うこと、展示をするときには太刀は刃を下に向けて、打刀は刃を上に向けるなどの鑑賞ポイントを説明していただきました。また、正倉院の延喜式に研師の職業が記載されているなどの歴史的記述や、刀を研磨し仕上げる際の刃紋などについてもをわかりやすく話していただきました。               後半は、刀剣を順番に実際に手に取っての鑑賞がメインです。                   刀剣を鑑賞する時には、制作者や所有される方への謝意を込め、刀剣に軽く一礼をした後、両手でしっかり持つこと、刀紋の鑑賞するときには、光源をあてるとはっきりと模様が見られること等を教えていただきました。   左上の写真は、研磨する時に刀剣師と刀剣、砥石を固定する道具です。中上の写真は、研ぎの工程によって使い分ける砥石で工程順に並べています。右上は刃紋を付ける際に用いる砥石の数々です。 写真パネルで研磨の工程を紹介し、砥石等も手に取ってみていただきました。 また研磨する前の状態の刀剣や、刀剣の鞘も手に取って見ていただきました。 受講者の方からは、「刀を実際に持つときは、刀の重みを感じ緊張しました」また「刃紋の見方などの鑑賞のポイントがわかりました」という声が寄せられました。 第1回、第2回を通して、受講者の方から、専門的な仕事のお話や、実物に触れる体験をとおして鑑賞のポイントがわかりました、等々の声をお寄せいただき、資料への関心を深めていただく機会となりました。   戦国大名の展覧会に行くと必ず目にするのが甲冑と刀剣です。展示ケース越しに見ることはあっても、触ったことってありますか? そこで本講座の《パートⅡ》では、実物の甲冑や刀剣に触れて見どころを知ることで、中世の資料についてより深く学んでいきます。初心者の方大歓迎です。 日時 ①2021年11月27日(土)、②12月4日(土)午後1時30分~3時30分 講師 ①西岡 文夫 氏(甲冑師) ②小野 敬博 氏(刀剣研師) 演題 ①「甲冑を知ろう」 ②「刀剣の扱い方、見方を知ろう」 会場 当館講堂 定員 各回30名(申込多数の場合は抽選)※1回ごとのお申し込みも受け付けますが、連続講座のため全2回お申し込みの方を優先します。 受講料 無料(ただし、初回受講日の特別展観覧券が必要です。) 申込 申込締切 注意事項 ・ご来館される前にこちらをご確認ください。※本講座にお申し込みいただき、受講が決定された方(申し込み多数の場合は抽選のうえ)は、リンク先の特別展入場事前予約は不要です。 ・館内及び受講中の常時マスク着用をお願いします。 ・新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、急きょ中止・変更になる場合がございます。その場合は、このページでお知らせします。
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