横浜開港場の中心部は慶応2(1866)年の大火以降、また新たな表情を持つ街となった。画面中央部にははじめ遊郭があったがその大火に焼かれ、画面やや右上に描かれる吉田橋の外側に移されている。また、横浜(現JR桜木町駅)・新橋(汐留)間に明治5(1872)年鉄道が開通するが、すでに横浜駅予定地とそこから東京へ向かう鉄道敷設予定地の造成されているようすが描かれている。なお、左下に見える小林屋銀治郎は岸田吟香、佐野屋富五郎は五葉舎万寿老人として作図もした尾崎富五郎である。