1913(大正2)年2月の大正政変によって誕生した第1次山本権兵衛内閣の大蔵大臣に高橋日銀総裁が就任し、その後任に三島横浜正金銀行頭取が任命された。後任頭取選任の準備が出来なかったこともあり、横浜正金銀行条例の規定により日本銀行副総裁水町袈裟六が第9代頭取に任命された。水町頭取はわずか半年余りの在任であったが、五カ国財団の一員として対中国政府借款(五分利善後借款)契約の締結という大きな成果を残した。これは三島頭取時代からの懸案で、中国革命やアメリカ財団の離脱といった紆余曲折があったものの最終的に締結を迎えることができた。
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