制作年の明確な作品として、よく知られている。初期の役者絵や美人画を描いたが、あまり人気はでなかった。本図もそのような若書きの頃の作品の一つ。文政元年 (1818)11月江戸歌舞伎の中村座顔見せ興行『伊勢平氏摂神風』の一場面で、画面右の法体は平清盛の中村芝翫、左の文をひろげる八条局は中村大吉である。