本図は京名所とそこで生活する人々に視点を置き、八瀬の里の敦賀街道を柴木や花を京に売りに行く大原女を描く。広重は、諸国の名所や江戸名所の揃物を数多く手掛け、風景版画の一つの頂点を極めた。特に上方の風物3部作「近江八景之内」「浪花名所図会」とこの「京都名所之内」は溢れる詩情と格調高い作品群として名高い。