本図は、正月の10日に、浪速っ子が今宮社に参拝して福徳を願った十日恵比寿の賑わいである。 10枚揃物として版行され、その全図を『摂津名所図会』を典拠としているが、広重の他の名所絵とは大きく異なる。人物描写に主眼が置かれ、商都大坂の民衆エネルギーを表現しようとした新しい型の名所絵である。