若衆が、恋文を火鉢にくべて燃やし、煙りの中からは妙令の女性が現れる幻想的な構図である。春信は、古典に造詣が深く、作画にあたっては、しばしば、ほかの絵画を参考にしている。この作と同じ構図で湖龍斎が「風流大和甘四孝董永」と残しているところから湖龍斎に擬することもできる。