近景に六郷村の八幡塚の渡しを、大勢の旅人や馬を乗せてまさに出ようとする渡し船を描き、中景に滔々と流れる六郷川と筏を、遠景に天空を区切るように富士とそれに連なる山々を非常に簡略化した線で描いている。山の端に湧き出る雲は洋風で、近景に描かれた旅人の姿が生き生きと描かれ奥行きのある画面構成の優品である。