深々と降り積もる雪の夜の様子を見事に表現した図として、保永堂版「東海道五拾三次」シリーズ中で「亀山 雪晴」「庄野 白雨」と並んで、最も優れた作品。雪に閉ざされた蒲原の宿の家々は戸をしっかりと閉じ、灯火も洩れていない。行き交う人々は背を丸めて無言。墨暈しで闇に浮き上がった辺り一面を静寂が支配している。