7世紀後半から9世紀にかけての神奈川県域には、横須賀市宗元寺、小田原市千代廃寺、茅ヶ崎市下寺尾廃寺、川崎市影向寺、聖武天皇の勅願で建立された相模国分寺などの主要な古代寺院が建てられていました。この中には今もなお法灯をついでいる寺院もあります。
なかでも宗元寺の「忍冬交飾蓮華文」軒丸瓦は、奈良県西安寺と同じもので、畿内との密接な関連を示しています。これに似た例は、小田原千代廃寺出土の鬼瓦と武蔵国分寺創建期のそれとが同じ型で作られており、相模国から武蔵国へ型を移して作られたことを物語っています。
古代寺院は主に天皇家や豪族によって建立されましたが、庶民もまた塔や堂の建物を模した焼物を作り、それを集落内の建物に祀って信仰していました。こうした「村落内寺院」とも呼ばれる遺跡出土品から当時の人々の仏教信仰に対する生活の一端もみていただき、相模国や武蔵国南部域に所在した奈良・平安時代の古代寺院を中心とした信仰を感じ取っていただきます。
◇ 展示数 約360点
◇ 展示品リスト
関連行事:
●記念講演会
「古代寺院と地方豪族」
●学芸員による展示解説
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