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浮世絵は日本の絵画作品の中でも人気のある分野で、現代でも浮世絵師の名は数多く知られています。なかでも、幕末に活躍した歌川国芳(1797〜1861)は最近、国内外で最も注目を集めている浮世絵師です。勇壮なサムライの姿、西洋の絵画にならって表現した光と影、奇想天外な発想によって描かれたこっけいな人物や動物。国芳が挑戦した表現は今もなお新鮮に私たちを魅了します。今年で国芳が亡くなって150年となります。この機会に当館丹波コレクション所蔵の国芳作品の一部を、宿駅や名所ほか神奈川県域にゆかりがあるものを中心にご紹介します。国芳が描いた当時の神奈川の光景をお楽しみいただければ幸いです。
「高祖御一代略図 相州竜之口御難」

日蓮は竜口(藤沢市片瀬のあたり)で処刑されることになった。首を斬られようとするまさにその時、江ノ島の方から光線が差して、処刑人の刀を打ち砕く。
「相州大山道田村渡の景」

大山へ向かう中原街道にあった田村の渡し(平塚市・寒川町)。空にはそれまでの日本の絵画には見られない入道雲が浮かんでいる。
「富士裾野曾我兄弟本望遂図」

建久四年(1193)五月、十郎と五郎の曾我兄弟は富士の裾野で父の仇を討つ。雨に煙る遠景は墨色、手前で戦う人物はカラーと対比させている
◇ 展示目録
- 東海道五拾三次人物志 神奈川
- 東海道五拾三次人物志 戸塚
- 山海名産尽 相模ノ堅魚
- 東海道五拾三駅四宿名所 程ヶ谷 戸塚 藤沢 平塚
- 東海道五拾三駅五宿名所 大磯 小田原 箱根 三島 沼津
- 坂田怪童丸
- 相州大山道田村渡の景
- 相模州大住郡雨降大山全図
- 二美人江の島冨士遠景
- 高祖御一代略図 文永八鎌倉霊山ヶ崎雨祈
- 高祖御一代略図 相州竜之口御難
- 高祖御一代略図 九月十三夜依智星降
- 東都名所 するがだひ
- 奈良の大仏と浅草の観音
- 妙でんす十六利勘 朝寝者損者
- 百人一首之内 小野小町
- ほうづきつくし すまふ ゆうれい
- 通俗水滸伝豪傑百八人一個 母夜叉 孫二娘
- 二十四孝童子鑑 孟宗
- 源頼光公館土蜘作妖怪図
- 富士裾野曾我兄弟本望遂図
- 讃岐院眷属をして為朝をすくう図
- いせおんど
◇ 開館時間:午前9時30分〜午後5時
(入館は午後4時30分まで)
◇ 休館日:「開館日カレンダー」をご覧ください
◇ 会 場:常設展示室2階 テーマ3「近世の街道と庶民文化」コーナー
◇ 観覧料:常設展観覧券でご覧いただけます
◇ 展示期間:2011年末まで
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