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特別陳列「仏のすがた祈りのかたち −県博の仏教美術−」関連展示


 人々の祈りや願いに応えて現れる神仏の不思議な力−霊験(れいげん)。不動明王の剣を飲み込んで法力を得た祐天(ゆうてん)上人や、鼠に姿を変えたという頼豪(らいごう)阿闍梨(あじゃり)。いにしえから様々に語り継がれてきた霊験譚を、浮世絵師たちは想像力と創意を加えながら時として劇的に、時としてユーモラスに描いてきました。この展示では、神仏あるいは法力を備えた高僧たちを描いた浮世絵をご紹介します。風景画や美人画とはひと味違った霊験譚の世界をご覧ください。

 観世音霊験 一ツ家ノ旧事(ふること) 歌川国芳 

 浅茅ヶ原(あさじがはら)(現:東京都台東区)の鬼婆伝説を描いた一枚。旅人を殺しては金品を奪っていた老婆のもとを、稚児(ちご)に姿を変えた観音が訪れます。稚児に襲いかかる老婆と必死に止める娘との緊張感ある場面。


 高祖御一代略図 文永八鎌倉霊山ヶ崎雨祈 歌川国芳 

 日蓮宗を開いた鎌倉時代の僧・日蓮は佐渡に流されるなど法難に逢いながら、優れた法力で大いに活躍しました。干ばつに見舞われた鎌倉で極楽寺の忍性と雨乞いの対決を行ったところ、日蓮はたちまちに大雨を降らせます。


 新形三十六怪撰
 三井寺頼豪阿闍梨悪念鼠と変ずる図
月岡芳年 

 三井寺の僧・頼豪は戒壇(受戒の施設)の建立を天皇に請いましたが延暦寺の反対にあって実現できず、断食して自ら命を絶ちます。その怨念によって数千の鼠に姿を変え、延暦寺の経典を食い破ったといいます。


展示リスト

資料名作者
観世音霊現 一ツ家ノ旧事歌川国芳
於竹大日如来歌川国芳
六様性国芳自慢 先負 文覚上人歌川国芳
奈良大仏と浅草観音歌川国芳
高祖御一代略図 文永八鎌倉霊山ヶ崎雨祈歌川国芳
日蓮上人石和河にて鵜飼の迷魂を済度したまふ図月岡芳年
不動明王 祐天に剣を呑ませる月岡芳年
新形三十六怪撰 地獄太夫悟道の図月岡芳年
新形三十六怪撰 三井寺頼豪阿闍梨悪念鼠と変ずる図月岡芳年
後醍醐帝笠置山皇居霊夢之図尾形月耕

◇ 開館時間:午前9時30分〜午後5時
      (入館は午後4時30分まで)

◇ 休館日:「開館日カレンダー」をご覧ください

◇ 会 場:常設展示室2階 常設展示/近世・浮世絵コーナー

◇ 観覧料:常設展観覧券でご覧いただけます

◇ 展示期間:2015年8月下旬まで


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