縄文時代には、現代の感覚では到底理解できそうもないものが たくさんあります。
「勝坂縄文展」でも、そんな不思議なものをたくさん展示していますが、
ご来場いただいた方にも、これらがなんだと思ったかを アンケートでご回答いただいています。
ここでは、そんな縄文時代の不思議なものと アンケート速報を随時ご紹介していきます。
【用途不明の土器】
縄文土器の一つの特徴に、口が波打ったりしていて平らなものが少ない点が挙げられます。 ですが、ここにお示しした土器は口が平らです。さらに、平らな口縁のやや下に小さな孔とそれに沿って鍔(つば)のような粘土の紐が巡っています。有孔鍔付土器(ゆうこうつばつきどき)と呼ばれている土器です。 他の土器には見られない孔と鍔の存在から、この土器には特別な機能が考えられてきました。革などを張って音を叩き鳴らした太鼓説、蓋をして中で果実を発酵させ、孔はガス抜き用とした酒造器説が二大学説となっています。しかし、いずれも決定的な根拠に乏しく、未だにその用途はよく分かっていません。
太鼓説と酒造り器説の二説が圧倒的。 わずかに酒造り器説が優勢。水がめ説も。
【太鼓説の意見】 ・口の部分が平らだから。・叩いてみたらいい音がした。 ・縄文時代にも音楽はあったと思う。 など
【酒造り器説の意見】 ・縄文人もお酒を飲んでいたに違いない!・太鼓だとしたら、使った痕跡が残っていてもいいと思う。 ・神様にささげるためのお酒を造った。 など
【水がめ説の意見】・日常使いする水がめ・形が液体の貯蔵に向いていると思う。 など
【その他の意見】 ・地面に埋めて冷蔵庫にした。 ・トイレ。今のトイレにも入口に人の絵が描いてあるから。 ・ヘルメット ・マムシを入れて飼った。 ・一つの用途に限られない。色々な使われ方をしたのではないか。
・小さいのは、マグカップみたいに飲み物を飲むときに使った。 ・液体を混ぜるときの「るつぼ」 ・水槽 ・アロマポット
など
【企画者からのコメント】
会場では、太鼓に復元した有孔鍔付土器をいくつか展示していますので、太鼓説が圧倒的になるかと思いましたが、意外に酒造り説の方が多いのですね。
その他の意見にもありましたように、一つの用途に限らないのかもしれません。 トイレ説、ヘルメット説はこれまで聞いたことがなかったですね!面白い!
【なぞの生物】
勝坂式土器は、数ある縄文土器の中でも、特に立体的な装飾や抽象的な模様を多く描くことに一つの特徴があります。また模様の中に、ヒトのような、カエルのような、はたまた宇宙人のような!? なぞの生物が描かれることも勝坂式土器の大きな特徴なのです。 これらの生物は、抽象化して描かれており、そのモデルがなんだったのかがなかなかよく分かりません。
考古学者はあまりこのモデルがなんだったのか、というところには突っ込まず「人体文」や「抽象文」といった言葉でこれらを記述することが多いようですが、現状では、両生類のような水辺に棲む生き物だという意見が一般的です。
ここでは、その一つの例として相模原市大日野原(おおひのはら)遺跡出土の土器をご紹介します。
あなたには何に見えますか?
宇宙人説とカエル説の二説が圧倒的。 その他もいろいろ。
【その他の意見】 ・アメンボ ・ウミガメ ・トカゲ ・イカ ・アワビ ・カッパ ・古代のウルトラマン ・車にひかれた犬 など
宇宙人説が圧倒的ですね!縄文人は宇宙人だったのか!? 宇宙人以外だと、やはり両生類の生物が多いようです。
その他にも色んな意見があって面白いですね。「車にひかれた犬」って・・・ちょっとかわいそうです(笑)。