重なりあってうごめく二匹の蟹、今まさに目を醒ました猫、葡萄の蔓にこしらえた巣を守る蜂、風神の袋の破れ目からのぞく鬼たち。ほかにも、鶉、孔雀、鷲、鳩などなど。
眞葛焼を始めた初代宮川香山は、器物に立体的な装飾をほどこす高浮彫を得意としました。焼成のたびに収縮するやきもので、高浮彫のように、器物本体から盛り上げ、さらに、多くの細かな部材から構成される装飾を造形として成り立たせるには、高度な技術が必要です。欧米諸国で絶賛された初代香山の高浮彫をご堪能ください。