展覧会のみどころ
展覧会構成
義松の直筆による書簡や家計簿、販売記録などから、謎多きその生涯に迫ります。特に幕末明治を生き抜いた画家の文字資料はこれほどまとまって公開されること、そして作品とつながる歴史の綾は必見です。
描く対象を正確にとらえ、素早く描きとるその技術的な冴えは、義松の鉛筆画や水彩画に顕著にあらわれます。若々しくダイナミックな鉛筆の線、瑞々しい大気をとらえる水彩画の筆をご堪能ください。
今日でも「洋画」といえば油彩画のことを連想する方が多いように、江戸時代まで見たことのなかったその技術を多くの人が望みました。そのいち早い達成を示し、また西洋へと挑戦した義松の真骨頂が本展で示されます。
義松にとって家族、そして弟子たちは最も身近な存在であり、描く対象でもありました。注文制作ではないそれらには、明治初頭の青年画家たちの日常が活写されています。新技術に邁進したその姿に注目してください。
五姓田義松 略年譜