
前回この日記にも書きましたが、11月19日(水)から21日(金)の3日間、大阪市立中央公会堂を会場に、全国博物館大会が開催され参加してきました。
会場となった中央公会堂は、大阪市北区中之島に所在し、すぐ隣には大阪市東洋陶磁美術館があるなど大阪の文化施設の拠点の一画に位置しています。中央公会堂は「北浜の風雲児」と称された相場師・岩本栄之助の出資のもと、大正2年(1913)に着工、同7年に竣工したネオ・ルネッサンス様式を基調とした鉄骨煉瓦造の建物です。そして現在、国の重要文化財に指定されています。
さて大会初日ですが、開始は午後であったので早めに大阪に着いて、以前から気になっていた資料館を観てきました。場所は、道修町というところです。みなさんはこの町名、読めますか。大阪でも難読地名の一つとされており、「どしょうまち」と読みます。
町名の由来にはいくつかあるようですが、この一帯は江戸時代から薬種問屋が集まっていた所で、享保年間(1716~1736)には株仲間である「薬種仲買仲間」が結成されています。また「和薬種改会所」が設置され、各種の薬の品質鑑定も行っていました。まさに「薬の町」として発展し、いまに至っている町です。その中心に神農さんとして親しまれている少彦名神社があり、その社務所の3階に今回の目的である「くすりの道修町資料館」があります。小さな博物館ではありますが、地域に残された道修町文書(大阪市指定文化財)が散逸しないよう、そして道修町の歴史を広く知ってもらうために、地元の人たちが薬品会社の協力を得て設立した、いわば民間の博物館で無料開放しています。
時々展示替えを行うなど地道な活動を続け、地下鉄「北浜」駅や「淀屋橋」駅からも近いという大阪の中心地にありながら、地元の人の手による地域密着型の博物館として大変興味がありました。展示室は狭いながらも、薬の町としての歴史をコンパクトにまとめており、1時間ほどかけてじっくり見学しました。是非みなさんも大阪に行く機会がありましたら、訪ねてみてはいかがでしょうか。
なお現在も、道修町には大手薬品会社が本社を構えており、資料館の近くには公益財団法人武田科学振興財団の杏雨書屋や、田辺三菱製薬資料館などの博物館があります。今回は時間の関係で訪問できませんでしたが、また機会があれば見学したいと思います。ちなみに杏雨書屋は以前は十三(じゅうそう)にあり、かつて江戸時代の砂糖製造を調査していた折に、所蔵資料の閲覧などで大変お世話になったことがありました。
話はもとに戻りますが、全国博物館大会については引き続き次回で報告したいと思います。