
第73回全国博物館大会は、「持続可能な世界と博物館の発展~未来・社会・ウェルビーイングに貢献する博物館~」をテーマに開催され、約570名の博物館関係者が参加しました。本テーマは、今年開催された大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」をもとに、持続可能な社会づくり、ウェルビーイングの追及を、いかに博物館がその実現に向けどのような役割を担うことができるのか、という観点から設定されました。
さて大会は開会式に引き続き、クリエイティブディレクターの服部滋樹による「万博から持続可能な社会は見えたのか?」をテーマに基調講演があり、その後全国博物館フォーラム「信頼のネットワークを築くには?~博物館同士の連携と倫理の実装~」が開催され、初日を終えました。2日目は3つの分科会が午前中に催されましたが、私は分科会3「博物館におけるインクルージョンとウェルビーイング~すべての人に開かれた場になるために~」に参加し、コーディネーターを含め4人の講師から、高齢者・障がい者・在住外国人を対象としたこれからの博物館のあり方、また博物館における排除の歴史についての報告を拝聴しました。課題も多いですが、継続することの重要性をあらためて感じました。その後、午後は各分科会からの報告などを兼ねたシンポジウム「持続可能な社会と博物館」が行われ、最後に全体会議として今回のテーマに基づいた持続可能な博物館運営の推進を含めた大会決議案が全会一致で決議され、2日間の大会日程が終了しました。
最終日は、エクスカーションとして大阪周辺の博物館の巡見が行われました。私はAコース(北摂コース)に参加し、高槻市立自然博物館(あくあぴあ芥川)・高槻市立今城塚古代歴史館・市立伊丹ミュージアム・伊丹市昆虫館・国立民族学博物館を観覧しました。
高槻や伊丹では小規模ながらもさまざまな活動を展開しており、特に高槻市立自然博物館は指定管理者が少ない予算の中で創意工夫しながら手作りの展示を展開し、また伊丹市昆虫館は虫に関するユニークな活動を行っており、いずれも自然系博物館ではありますが大変参考になりました。ただ残念なことは、各館とも観覧時間が短く、じっくりと拝見することが叶いませんでした。機会があれば、また是非訪れてゆっくりと観覧したいと思います。
以上、3日間にわたる全国博物館大会でしたが、毎年のことですが全国の多くの〝博物館人〟と交流ができ、また貴重な講演や報告を聞くことができ、大変充実した3日間でした。今後の「けんぱく」の活動のうえでも、参考にしていければと思います。