展示

常設展室内トピック展示

明治150年「武蔵百景」-清親が描いた明治の東京[後期]

明治に活躍した小林清親(1847~1915)が明治17(1884)年に刊行した「武蔵百景」を紹介する展示の後期は秋と冬の風景です。「光線画」と呼ばれる東京の四季折々の風景を描いた一連の「東京名所図」(明治9~14年刊)は横型の風景画でしたが、「武蔵百景」は初代歌川広重「名所江戸百景」(1856~58年刊)にならい、タテ型の画面に風景をおさめています。しかし、「武蔵百景」には「東京名所図」にみられた、清親以前の浮世絵に見られない月の光や川の水面に映る光の表現が引き続き見られるほか、浮世絵に繰り返し描かれてきた場所にも新たな建造物や風俗がみられます。江戸以来の名所を描きながらも、独自の表現で時代のうつろいをとらえた清親の視線による明治の風景をお楽しみください。

開催情報

常設展室内トピック展示明治150年「武蔵百景」-清親が描いた明治の東京[後期]

概要

展示期間:2018年12月27日(木)まで
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:「開館日カレンダー」をご覧ください
会場:常設展示室2階 常設展示/テーマ3 近世
観覧料:常設展観覧券でご覧いただけます

「目くろいゑんひう蔵(部分)」

目くろいゑんひう蔵(部分) 目黒焔硝蔵(えんしょうぐら)とは明治12年以降、目黒火薬製造所となった火薬庫のこと。秋の空にうろこ状の雲があざやかに浮かんでいます。清親は先行する「東京名所図」でも、それまでの浮世絵には見られなかったリアルな雲を表現しています。

「谷中団子坂菊(部分)」

団子坂(東京都文京区千駄木)は幕末以降明治の間、菊人形で有名でした。本図は初代広重「名所江戸百景」の構図にならい、「朝日の出」と命名された大輪の菊の花を手前に大きく、遠くに見物の人々を描いています。 谷中団子坂菊(部分)

「深かわ木場(部分)」

深かわ木場(部分) 雪の下から顔を出す枯れ草…と思いきや清親のサイン。このようなサインも「東京名所図」と共通する清親の茶目っ気?!です。

展示リスト

題名
武蔵百景之内 品川見越ノ月
武蔵百景之内 目くろいゑんひう蔵
武蔵百景之内 下総真間つぎ橋
武蔵百景之内 谷中団子坂菊
武蔵百景之内 池上本門寺
武蔵百景之内 浅草寺本堂
武蔵百景之内 不忍弁天 雪晴
武蔵百景之内 深川ふゆき弁天
武蔵百景之内 深かわ木場
武蔵百景之内 水道橋 茶の水
武蔵百景之内 芝増上寺雪中

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