催し物

講座・講演会

講演会 「十王図の図像と転写にみる死生観」

特別展「重要文化財修理完成記念 十王図」3回目の講演会を実施しました。講師は2回目の講演会同様、今回の展覧会を担当した橋本学芸員です。
講義前半は、冒頭で十王が中国の唐時代に、仏教と道教が習合して成立した尊像であることなどを説明し、元となる経典にどのようなものがあるのか、中国・日本での絵画や彫刻の作例をスライドで投影しながら説明しました。その後、神奈川県立歴史博物館所蔵の十王図(以下、県博本)の特色を解説しました。特に県博本に含まれる十王とは異なる尊格『使者像』については謎の多い部分でもあり、他の作例と異なる特色でもあります。また、今回の県博本の5ヵ年にわたる修理の概要もご紹介しました。
後半には他の歴博本に類する十王図との図像比較を行いました。さまざまな作例と比較することで、転写本の元と転写先、同時代の作品のモチーフの類似性、中世から近世へ時代が下るにつれてのモチーフの変遷とその背景にある考え方の変化などを、画像を見比べながら詳しく見ていきました。 終了後には参加者の皆さんも「今一度作品を見てみたい!」と強く感じられたようです。


十王図には、冥界の判官である十王に加えて、地獄の責め苦が描かれることが多くあります。責め苦の内容や種類には、おもに描かれた時代により違いが見られます。こうした違いに注目して、中世以来の人々が死後の世界をいかに見ていたのかを考えます。

日時 2021年8月22日(日)午後1時30分~3時30分
講師 橋本 遼太(当館学芸員)
定員 50名(申込多数の場合は抽選)
受講料 無料(ただし、当日の特別展観覧券が必要です。)
申込 「事前申込のご案内」をご覧ください。
「往復はがき」または「フォームメール」でのお申し込みとなります。
申込締切 2021年7月27日(火)必着
申込受付は終了しました
注意事項 ・ご来館される前にこちらをご確認ください。※本講演会にお申し込みいただき、受講が決定された方(申し込み多数の場合は抽選のうえ)については、リンク先の入館の事前予約は不要です。
・館内及び受講中の常時マスク着用をお願いします。
・新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、急きょ中止・変更になる場合がございます。その場合は、このページでお知らせします。

ページトップに戻る