催し物

講座・講演会

講演会 「神奈川県立歴史博物館所蔵の《十王図》について」

特別展を企画担当した橋本遼太学芸員による「神奈川県立歴史博物館所蔵の《十王図》について」の講演会を開催しました。
前半は、重要文化財に指定されている当館所蔵の十王図(歴博本)の概要について説明後、平成24年から5年の歳月をかけて行われた修復についての解説が中心となりました。掛軸の構造や修復方法についての専門的な話もありましたが、文化財修理の世界を垣間見る貴重な機会となりました。過去の修復を生かし、それらを含めて未来へ継承するための修理となったことに、改めて重要文化財の重みを感じさせられた内容でした。
後半は、中国請来の十王図の重要文化財に指定された他の作例にも触れ、歴博本を手本にして描かれた十王図の本地仏や使者像の数々を実際に比較紹介しながらの解説となりました。図柄だけでなく同じ寸法で描かれているものや同じモチーフでも異なる描き方がなされている等、類例が数多く存在していることから、いかに貴重なものであったかを窺い知ることができました。また、海外の美術館に類似した図柄が存在していることも紹介され、様々な十王図との出会いの一日となりました。

 


当館が所蔵する十王図は南宋~元時代に中国で制作されたと考えられるもので、同様の図像に依って描かれた日本製の十王図が複数存在することから、写すべき十王図像として認識されていたとみられます。この図像がなぜ写される対象たり得たのか、また写される過程でどのように変容したのか、展覧会出品作例を中心に相互を比較しながら考えます。

日時 2021年8月8日(日)午後1時30分~3時30分
講師 橋本 遼太(当館学芸員)
定員 50名(申込多数の場合は抽選)
受講料 無料(ただし、当日の特別展観覧券が必要です。)
申込 「事前申込のご案内」をご覧ください。
「往復はがき」または「フォームメール」でのお申し込みとなります。
申込締切 2021年7月13日(火)必着
申込受付は終了しました
注意事項 ・ご来館される前にこちらをご確認ください。※本講演会にお申し込みいただき、受講が決定された方(申し込み多数の場合は抽選のうえ)については、リンク先の入館の事前予約は不要です。
・館内及び受講中の常時マスク着用をお願いします。
・新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、急きょ中止・変更になる場合がございます。その場合は、このページでお知らせします。

ページトップに戻る