催し物

講座・講演会

連続講座《パートⅠ》(全2回)「体験!大人のせんごく寺子屋」

特別展「開基500年記念 早雲寺-戦国大名北条氏の遺産と系譜-」では、早雲寺の歴史を物語る様々な資料が展示されました。当講座では文書をテーマにし、展示で見るだけでなく、資料を身近に感じていただく機会となるよう、文書の素材である和紙の本格的な漉き体験と、文書の書き方を体験する連続講座を実施しました。

1回では田村正氏(紙漉き師)を講師としてお招きし、和紙の原材料である楮(こうぞ)から紙を作る一通りの工程を体験しました。つづく第2回では特別展担当の渡邊学芸員が講師となり、特別展で展示した様々な文書の様式を解説するとともに、第1回で作った和紙を使って戦国時代の文書を作成する体験をしました。

 

■第1回 「戦国文書を作ってみよう-本格!紙漉き体験-」 田村 正 氏(紙漉き師)

 田村氏は伝統的な和紙制作のみならず、子ども・一般向けに本格的な和紙づくりのワークショップを数多く開催されています。当日は、原材料の楮、トロロアオイ、また体験に必要な道具一式のほか、和紙に関する私家コレクション(大福帳や明治時代の教科書、投票用紙、紙子等々)をご持参いただき、本格的な紙漉きを体験をさせていただきました。

 

 

 

 

 

 

渡邊学芸員より田村氏の紹介の後、紙漉き職人の世界へ、参加者のみなさんと職員が弟子入りし、講座が始まりました。

はじめに講堂で、紙匠(師匠)より世界各地で作られている紙が、その土地で採れるものを原料に紙づくりが行われていることや、日本で作られてきた和紙の魅力と特徴、歴史的な背景などを熱心にお話いただきました。

講堂からサービスヤードへ場所を移して、紙づくり体験の始まりです。

和紙の原料である楮の加工から始まります。すでに蒸した状態の楮の外皮を、スクレーパーを使ってはぎ取ります。楮の根本や節のあるところは硬く、先の方は皮が薄くなっていることなど、楮の生育状況が作業を通して感じられます。

次は水槽の中で、ちりとりの作業です。先ほどの作業で取り切れなかった外皮の一部などを取り除いていきます。

ちりとりが済み、きれいになった楮を、今度は繊維を細かくほぐすため、叩解(こうかい)の作業をします。

トン、トン、トンと大きな音が鳴り響いて作業を終えた後、植物である楮の匂い、ふかし芋のような、ほんのり甘い匂いが漂いました。

 

繊維が十分にほぐれたら、容器に移し、トロロアオイという植物の根を水に浸して、粘りのある成分が浸み出た液体を入れて混ぜます。トロロアオイの粘り成分は、楮の繊維を水中に均一に分散させます。

いよいよ紙漉きです。

ここまでの工程で準備した楮で、ハガキサイズの紙を漉きました。

 

 

 

一方、漉き舟で、流し漉きを体験しました。

 

 

 

全員漉き終わったところで、終わりの挨拶をし、本格的な紙漉き体験は終了しました。

受講者が帰ったあとも作業は続きます。その後、漉き終わった紙を、ジャッキで圧搾し、水分を切りました。

その後、紙匠と職員で紙干しをしました。受講者のみなさんが作った和紙は、第2回で使用します。

 

■第2回 「戦国文書を書いてみよう-文書の書き方・折り方・とじ方-」 渡邊浩貴(当館学芸員)

 2回では、渡邊学芸員が講師となり、特別展で展示した文書のなかから、戦国文書の特徴がみられる資料を取り上げて、文書の書き方を解説し、折り方ととじ方のデモンストレーション、そしてお手本とした文書を特別展室で見学した後、実際に書く体験を実施しました。第1回で受講者自身が作った和紙を使いました。

まずは講義です。書き記されているれている内容から社会状況や暮らしの様子が浮かび上がります。また、日付と差出人の名前、受取人の名前の配置からは人間関係が表れていること、表装されていない文書からは、文書を出したときの折り方、とじ方が推察できるとの解説がありました。

デモンストレーションでは、文書がどのように折り畳まれていたのか、また切込みを入れたとじ方を実演し、受講者のみなさんにも体験していただきました。

 

 

 

 

 

 

本日のメインです。受講者のみなさんがそれぞれ、出品資料『北条氏盛書状(早雲寺文書)』(出品番号No.60、法事の出席依頼をお断りする内容)をお手本にして書いてみました。紙を横半分に折った「折紙(おりがみ)」という形態で、上半分に手紙を、日付の「霜月廿日」は、講座を行った日を書きました(実際の資料の日付は1015日)。差出人に北条氏盛の署名と花押があるところを、北条氏の朱印(レプリカ)を押印しました。

参加者からは、本格的な紙漉き体験への驚きのほか、文書は読めなくて素通り気味だったが、別の見方があることを知った、書かれている文字以外にも読み取れるものが多く、興味深く新しい発見があった、などの感想が寄せられました。

 


戦国大名の展覧会に行くと必ず目にするのが古文書です。展示ケース越しに見ることはあっても、触ったことってありますか? そこで本講座の《パートⅠ》では和紙の原料である楮から紙を漉いて作り、中世文書を実際に作る体験をすることで、中世の資料についてより深く学んでいきます。初心者の方大歓迎です。

日時 ①2021年11月13日(土)、②20日(土)午後1時30分~3時30分
講師 ①田村 正 氏(紙漉き師)
②渡邊 浩貴(当館学芸員)
演題 ①「戦国文書を作ってみよう-本格!紙漉き体験-」※4人一組で作業します。
②「戦国文書を書いてみよう-文書の書き方・折り方・とじ方-」
会場 当館講堂、バックヤード
定員 16名(申込多数の場合は抽選)※全2回両方受講可能な方のみお申し込みください。
受講料 無料(ただし、初回受講日の特別展観覧券が必要です。)
申込 「事前申込のご案内」をご覧ください。
「往復はがき」または「フォームメール」でのお申し込みとなります。
申込締切 2021年10月19日(火)必着
申込受付は終了しました
注意事項 ・ご来館される前にこちらをご確認ください。※本講座にお申し込みいただき、受講が決定された方(申し込み多数の場合は抽選のうえ)は、リンク先の特別展入場事前予約は不要です。
・館内及び受講中の常時マスク着用をお願いします。
・新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、急きょ中止・変更になる場合がございます。その場合は、このページでお知らせします。

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