催し物

講座・講演会

連続講座「地図を作った人たち」

特別展「地図最前線」の後期の展示内容に関連した連続講座を実施しました。地図を「作った人」がどのような人だったのかを、お二人の研究者の立場からそれぞれ解説いただきました。

9/3に行われた府中市美術館の大澤真理子学芸員は「美術史の視点からの地図」という切り口でお話いただきました。最初に鍬形蕙斎や五雲亭貞秀といった絵師が「名所絵」や俯瞰による風景を描いた鳥観図を描いていることや、司馬江漢らが地図製作に携わっていることなどを作品と共にご紹介いただきました。地図と美術には密接な関わりがあるようです。また、「大正の広重」として吉田初三郎が知られていることを皮切りに、吉田初三郎がどのような人物であるか、初三郎式の鳥瞰図・画業について、神奈川県鳥瞰図の見どころ、弟子との関わりについてをお話いただきました。

9/10の講座2回目は横浜都市発展記念館の岡田直主任調査研究員から、「横浜市の地図」がどのように変遷したのかを紐解くお話をしていただきました。はじめに地図の定義や分類について整理して説明。横浜を開港~現代までの市域の拡大にあわせて6つの区分に分けて、その年代毎の地図の特色や出版元についてなどを資料と共に詳しくお話いただきました。また、出版元の日本地理附図研究所に着目し、その設立者である秋山不二男がどのような地図を出版していったかを民間地図製作の一例として解説いただきました。

どちらも専門的な分野のお話ではありますが、地図に興味のある参加者にとって、とても有意義な講義の時間となったようです。


人間は地図を作り、地図を使う生きものです。本講座では特別展後期の展示内容に関連して、「地図を作った人たち」について紹介します。鳥瞰図絵師の吉田初三郎を中心にして地図と美術の関係に迫るとともに、横浜で数多く作られた都市地図の系譜をたどります。

日時 ①2022年9月3日(土)  午後1時30分~3時30分
②2022年9月10日(土)午後1時30分~3時30分
演題 ①地図と美術―吉田初三郎を中心に―
②民間で作られた横浜の都市地図とその系譜
講師 ①大澤 真理子 氏(府中市美術館 学芸員)
②岡田 直 氏  (横浜都市発展記念館 主任調査研究員)
集合 当館講堂
定員 50名(申込多数の場合は抽選。1回ごとの申込みも受け付けますが、連続講座のため、全2回お申込みの方を優先します。)
参加料 無料(ただし、当日の特別展観覧券が必要です)
申込 「事前申込のご案内」をご覧ください。
「往復はがき」または「フォームメール」でのお申し込みとなります。
申込締切 2022年8月9日(火)必着
申込受付は終了しました
注意事項 ・ご来館される前にこちらをご確認ください。
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