催し物

講座・講演会

講演会「描かれた開国を語る」

今回の講演会は、当館の近代開国の歴史を担当する嶋村主任学芸員が、研究内容の経過報告をするという内容で開催しました。ペリーが来航したときの様子を詳細に描いたとされている『ペリー提督日本遠征記』中の挿絵が、実は脚色を含んでいるのではないか?という疑問が今回の研究の出発点。この書誌の内容や、作者、描かれたものを解説しつつ、書誌の挿図を投影しながらどのように日本・アジアが描かれているかを詳細に見ていきました。史実と挿図の違い(例:本来は左にあるべきものが右にある、本来開港場にいないはずの群衆が描かれる)などを紐解きながら、見たままを描いたとされてきた画像史料にも脚色が加えられていることや、書誌が受け入れられやすいように当時の欧米からの日本のステレオタイプ的描き方をしていることなどを見ていきました。参加された方からは「写真、絵一つとってもそれぞれの立場によって思惑があるところが感慨深かった」「細部までくわしく見ると色んな中身が見えてくることに感激した」などの感想をいただきました。

 


ペリー来航当時の状況を示す『ペリー提督日本遠征記』に収録された石版画には、19世紀中頃の日本の様子が描かれています。しかし、描かれた画像全てが当時の〝事実〟を伝えているものではなく、脚色が施されたものが含まれていることが判明しました。本講演会では、日本来航以前にペリー艦隊が訪れた中国、琉球と比較をしつつ、ペリー第1回来航時の舞台となった久里浜、浦賀周辺や人物図を中心にわかりやすく解説します。(本講演会は、科研費「開国期・「虚像」による日本観の形成に関する基礎的研究:その方法論を中心に」で得られた研究成果の一部を広く一般に公開するものです。)

日時 2022年12月17日(土) 午後1時30分~3時30分
講師 嶋村 元宏(当館主任学芸員)
会場 当館講堂
定員 50名(申込み多数の場合は抽選)
受講料 無料(ただし、当日の常設展観覧券が必要です)
申込 「往復はがき」または「申し込みフォーム」でのお申し込みとなります。
申込締切 2022年11月24日(木)必着
申込受付は終了しました
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