展示

常設展室内トピック展示

明治150年「武蔵百景」-清親が描いた明治の東京[前期]

明治に活躍した浮世絵師小林清親(1847~1915)は明治9年(1876)から14年にかけて光と影の表現が際立つ東京の名所を描き、出版しました。一連の作品は「光線画」と呼ばれて現在、清親の代表作に位置づけられています。

この展示では明治17年(1884)に清親が刊行した東京名所シリーズ「武蔵百景」を紹介します。「武蔵百景」は風景をタテ型の画面におさめる表現や描かれた場所から、初代歌川広重の「名所江戸百景」を踏まえたものと指摘されています。しかし、清親は新しい建造物、風俗などを着実に描き、広重の時代、すなわち江戸からの時の流れを感じさせます。

「武蔵百景」は34図だけが確認されていますが、明治150年の機会に当館所蔵の23図を二回に分けてご紹介します。江戸と明治が綯(な)い交ぜとなっている東京の風景をごらんください。

開催情報

常設展室内トピック展示明治150年「武蔵百景」-清親が描いた明治の東京[前期]

概要

展示期間:2018年10月17日(水)~11月25日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:「開館日カレンダー」をご覧ください
会場:常設展示室2階 常設展示/テーマ3 近世
観覧料:常設展観覧券でご覧いただけます

「鉄鉋州高橋佃島遠景」

武蔵百景之内 鉄鉋州高橋佃島遠景 明治15年(1882)に架けられた鉄橋、高橋(たかばし、東京都中央区)。橋には官営の機械製作工場であった工部省東京赤羽工作分局(東京都港区)によって製作されたことが記されています。

「江戸ばしより日本橋の景」

男が担ぐ盤台の中には江戸っ子が熱愛したカツオ。左奥には明治13年(1880)に竣工した通称「三菱の七ツ蔵」のレンガ造りの倉庫が見えます。 武蔵百景之内 江戸ばしより日本橋の景

「亀井戸天満宮」

武蔵百景之内 亀井戸天満宮 広重も「名所江戸百景」で描いた亀戸天満宮(東京都江東区)。同じ場所ですが藤、太鼓橋の描き方が広重とはひと味、違います。

展示リスト

題名
武蔵百景之内 鉄鉋洲 高橋 佃島遠景
武蔵百景之内 王子稲荷社
武蔵百景之内 芝愛宿(ママ)山
武蔵百景之内 亀井戸天満宮
武蔵百景之内 東京隅田堤乃さくら
武蔵百景之内 江戸見坂
武蔵百景之内 両国花火
武蔵百景之内 玉川ぬのさらし
武蔵百景之内 隅田川水神森
武蔵百景之内 隅田川よ利真乳山遠景
武蔵百景之内 江戸ばしより日本橋の景
武蔵百景之内 赤坂きり畑山王うら山

後期展示作品(予定)

題名
武蔵百景之内 品川見越ノ月
武蔵百景之内 目くろいゑんひう蔵
武蔵百景之内 下総真間つぎ橋
武蔵百景之内 谷中団子坂菊
武蔵百景之内 池上本門寺
武蔵百景之内 浅草寺本堂
武蔵百景之内 不忍弁天 雪晴
武蔵百景之内 深川ふゆき弁天
武蔵百景之内 深かわ木場
武蔵百景之内 水道橋 茶の水
武蔵百景之内 芝増上寺雪中

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