展示

常設展室内トピック展示

頂相

人物の容貌や姿態を写しとる肖像画は絵画の重要な主題の一つですが、肖像画のなかでも禅宗の僧侶のそれをとくに頂相と呼びます。

頂相は、伝法の印可(師僧が、弟子の修行者が悟りを得たことを証明認可すること)の証として自ら着賛して弟子に授けることもあれば、師僧の亡き後に弟子が制作して追善の法要などに用いることもあります。たとえば、追善供養に用いられたかどうかは不明ですが、《石橋是梁像》は、像主の死後に弟子により着賛されています(賛文の内容は、師僧の経歴を振り返るものです)。また、《夢窓疎石像》の図上には、中国・元の高僧である月江正印の賛が付されますが、これは周説なる夢窓門下の僧が日本から頂相を持参して月江正印に着賛を請うて実現したものです。

共通の形式を持ちながらも制作背景はそれぞれに異なります。いかに像主に迫るか―。像主の風貌に注目しながら、ご覧ください。

開催情報

常設展室内トピック展示頂相

概要

展示期間:2019年1月4日(金)〜1月27日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:「開館日カレンダー」をご覧ください
会場:常設展示室3階 常設展示/テーマ2 中世
観覧料:常設展観覧券でご覧いただけます

展示リスト

作品名 時代 所蔵
夢窓疎石像 南北朝時代 14世紀 光明寺(相模原市緑区)
中峰明本像 南北朝時代〜室町時代 14~15世紀 神奈川県立歴史博物館
石橋是梁像 室町時代 応永16年(1409) 神奈川県立歴史博物館
元照律師像 南北朝時代〜室町時代 14~15世紀 神奈川県立歴史博物館

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